大判例

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東京地方裁判所 昭和47年(借チ)1014号 決定

〔主文〕申立人が相手方に対し金一二万円を支払うことを条件に、別紙目録記載の建物について同目録記載の増改築をなすことを許可する。

本件賃貸借契約の賃料を本裁判確定の日の翌月分から一ケ月金一、六〇〇円に改める。

〔理由〕(申立の要旨)

二 ……本件賃貸借契約には二階増築禁止の特約があり、右増改築について相手方の承諾が得られないので、これに代わる許可の裁判を求める。

(当裁判所の判断)

一 ……資料によれば、本件二階部分の増築により本件建物の北側に隣接する相手方家屋の日照、通風に影響を生ずることが認められるが、本件土地付近には家屋が密集し、それら家屋は相手方家屋をも含めてほとんどすべて二階建家屋であること、本件土地は狭隘でこれを有効に利用するためには二階建家屋の建築もやむを得ないと認められること、本件増改築建物についてすでに建築確認がなされており法令に違反するものでないこと等の事実を勘案すると、前記相手方の若干の苦痛は社会生活上受忍すべき範囲内のものというべく、本件増改築は本件土地の利用上相当といえるから、本件、申立は後記財産上の給付がなされることを条件に認容すべきである。

二 附随処分

申立人は本件増改築許可の裁判により本件土地を従前より有効に使用できることとなりそれに応じた利益を受けること、一方相手方は本件特約締結による期待に反して日照、通風等について若干の苦痛を受忍せざるをえないという不利益を受けるので、当事者双方の利益の衡平を図るため、申立人に財産上の給付を命ずべきである。

そして、右額は鑑定委員会の意見を参考にし、従前の裁判例を参酌して、本件土地の更地価格三一〇万円(鑑定委員会の意見による)の約四%に当る金一二万円とするのが相当である。

地代については、鑑定委員会の意見に従い、本裁判確定の日の翌月分から一ケ月金一、六〇〇円に改める。

(河村直樹)

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